社会保険の加入条件とは?会社と従業員が知っておきたいポイント
従業員を雇用するときに、会社が確認しなければならない重要な手続きの一つが、健康保険・厚生年金保険の加入手続きです。
「従業員を1人雇ったら社会保険に加入するの?」
「パートやアルバイトも社会保険に入るの?」
「会社はどのような場合に社会保険の加入義務がある?」
このように、社会保険の加入については分かりにくい部分があります。
社会保険は、会社が加入する「適用事業所」の要件と、従業員本人が加入する「被保険者」の要件を分けて考えることが大切です。
この記事では、健康保険・厚生年金保険の加入について、会社が確認しておきたいポイントを整理します。
社会保険とは?
会社員について一般的に「社会保険」という場合、主に次の2つを指します。
- 健康保険
- 厚生年金保険
健康保険は、病気やけが、出産などに備えるための医療保険です。
厚生年金保険は、老齢だけでなく、障害や死亡などの場合にも年金を支給する公的年金制度です。
会社で働く人については、一定の条件を満たす場合、会社を通じてこれらの社会保険に加入することになります。
まず「会社が加入する必要があるか」を確認
社会保険の手続きでは、最初に、
その会社が健康保険・厚生年金保険の適用事業所に該当するか
を確認します。
法人の場合
株式会社、合同会社などの法人事業所は、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。
そのため、
「まだ従業員が1人しかいないから社会保険は必要ない」
とは一概にいえません。
法人を設立して初めて従業員を雇用する場合などは、会社として社会保険の適用関係を確認する必要があります。
個人事業所の場合
個人事業所については、すべてが同じ扱いになるわけではありません。
業種と従業員数によって判定します。製造業や建設業などの法定業種で、常時5人以上の従業員を使用している場合は強制適用となります。なお、5人未満の場合や非該当業種であっても、一定の条件(労使の合意など)を満たせば任意で加入することが可能です。業の種類や従業員数などによって、社会保険の適用関係が異なります。
そのため、個人事業主の方は、
「個人事業だから社会保険は必要ない」
と判断せず、自分の事業所が適用事業所に該当するかを確認することが大切です。
次に「従業員本人が加入対象か」を確認
会社が社会保険の適用事業所であっても、従業員全員が必ず同じ条件で加入するわけではありません。
従業員についても、加入対象となるかを確認します。
正社員については、原則として社会保険の加入対象となります。
一方、パート・アルバイトについては、勤務時間や勤務日数などによって判断します。
パート・アルバイトの社会保険加入
社会保険について特に注意したいのが、パート・アルバイトです。
「パートだから社会保険には加入しない」
という考え方ではなく、実際の勤務条件を確認して判断する必要があります。
まず確認するのが「通常の労働者」との比較
同じ事業所で働く通常の労働者と比較して、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が4分の3以上である場合、原則として社会保険の加入対象となります。
例えば、正社員が、
- 週40時間勤務
- 月20日勤務
という会社であれば、パートについても勤務時間・勤務日数を確認します。
「パートだから対象外」ではなく、勤務実態を基準に判断することが重要です。
4分の3未満でも加入する場合がある
ここが社会保険の加入判定で特に分かりにくいところです。
通常の労働者の4分の3未満であっても、一定の条件を満たす短時間労働者については、社会保険の加入対象となる場合があります。
例えば、一定規模以上の企業等で働く短時間労働者については、
- 週の所定労働時間
- 月額賃金
- 雇用期間
- 学生ではないこと
- 企業規模
などの条件を確認する必要があります。
社会保険の適用範囲は近年拡大しているため、パート・アルバイトを雇用する場合には、最新の加入要件を確認することが大切です。
社会保険に加入すると保険料はどうなる?
社会保険料は、原則として会社と従業員が折半して負担します。
会社は従業員の給与から本人負担分を控除し、会社負担分と合わせて保険料を納付します。
そのため、従業員を採用する際には、給与だけでなく、社会保険料を含めた会社の人件費についても考えておく必要があります。
社会保険の加入手続き
従業員が社会保険の加入対象となった場合、会社は資格取得の手続きを行います。
一般的には、健康保険・厚生年金保険の「被保険者資格取得届」を提出します。
また、従業員に扶養家族がいる場合には、健康保険の被扶養者に関する手続きが必要になることがあります。
手続きの際には、従業員の氏名、生年月日、住所、基礎年金番号など、必要な情報を確認します。
社会保険の手続きはいつまで?
従業員が加入要件を満たすこととなった場合、資格取得の手続きには提出期限があります。
入社後に慌てて準備するのではなく、採用が決まった段階で社会保険の加入対象になるかを確認しておくと安心です。
特に、入社日から社会保険の資格が発生するケースでは、手続きを忘れないよう注意しましょう。
社会保険に加入しないとどうなる?
加入義務があるにもかかわらず、社会保険の手続きを行っていない場合には問題となる可能性があります。
また、従業員本人にとっても、健康保険や厚生年金の資格に関わる重要な問題です。
「会社が小さいから大丈夫」
「本人が希望していないから加入させなくてよい」
といった理由だけで判断することはできません。
加入義務があるかどうかを、会社と従業員それぞれの条件から確認することが重要です。
従業員本人が加入を希望しなくても加入が必要な場合がある
社会保険は、加入要件を満たしている場合、本人が「入りたくない」と希望しているかどうかだけで加入を自由に決められるものではありません。
加入義務がある場合には、会社として必要な手続きを行う必要があります。
パート・アルバイトの採用時には、本人の希望だけで判断せず、法令上の加入要件を確認しましょう。
初めて従業員を雇う会社が確認すること
初めて従業員を雇う場合は、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
STEP1 会社の種類を確認する
法人なのか、個人事業所なのかを確認します。
↓
STEP2 適用事業所に該当するか確認する
健康保険・厚生年金保険の適用事業所に該当するかを確認します。
↓
STEP3 従業員の勤務条件を確認する
正社員なのか、パート・アルバイトなのかだけではなく、週の勤務時間、勤務日数、賃金、雇用期間などを確認します。
↓
STEP4 加入対象か判断する
通常の労働者との比較や、短時間労働者に関する加入要件などを確認します。
↓
STEP5 資格取得手続きを行う
加入対象となる場合は、必要な届出を行います。
↓
STEP6 給与計算に反映する
社会保険料の本人負担分を給与から控除し、会社負担分と合わせて納付します。
よくある質問
Q.従業員が1人でも社会保険に加入する必要がありますか?
法人事業所は、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。
そのため、従業員数だけで加入義務の有無を判断することはできません。
Q.パート・アルバイトは社会保険に加入しなくてもいいですか?
一律に加入しなくてよいわけではありません。
勤務時間・勤務日数などが通常の労働者の4分の3以上の場合や、一定の条件を満たす短時間労働者の場合など、加入対象となることがあります。
Q.本人が社会保険に入りたくないと言っています
加入要件を満たしている場合、本人の希望だけで加入を避けることはできません。
会社として加入要件を確認する必要があります。
Q.正社員とパートで社会保険料は違いますか?
社会保険料は、原則として標準報酬月額などを基に決まります。
そのため、勤務時間や給与などによって従業員ごとの保険料が異なる場合があります。
まとめ
社会保険の加入については、
① 会社が適用事業所に該当するか
そして、
② 従業員本人が加入対象となるか
の2つを分けて考えることが大切です。
特にパート・アルバイトについては、勤務時間や勤務日数、賃金、雇用期間、企業規模などによって判断が変わる場合があります。
「パートだから加入しない」といった雇用形態だけによる判断は避け、実際の労働条件を確認しましょう。
社会保険の適用範囲は法改正によって変わることもありますので、手続きを行う際にはその時点の最新の要件を確認することが重要です。
社会保険の加入手続きでお困りではありませんか?
熊澤人的資源管理事務所では、健康保険・厚生年金保険の資格取得手続きをはじめ、社会保険に関するさまざまなご相談を承っております。
「初めて従業員を雇うので、社会保険の手続きが分からない」
「パート・アルバイトが社会保険の加入対象になるのか確認したい」
「社会保険に加入させる必要があるのか判断してほしい」
といったご相談にも対応しております。
大阪市・都島区で社会保険の加入・手続きについてお困りの際は、熊澤人的資源管理事務所までお気軽にご相談ください。
社会保険の加入条件とは?会社と従業員が知っておきたいポイント
従業員を雇用するときに、会社が確認しなければならない重要な手続きの一つが、健康保険・厚生年金保険の加入手続きです。
「従業員を1人雇ったら社会保険に加入するの?」
「パートやアルバイトも社会保険に入るの?」
「会社はどのような場合に社会保険の加入義務がある?」
このように、社会保険の加入については分かりにくい部分があります。
社会保険は、会社が加入する「適用事業所」の要件と、従業員本人が加入する「被保険者」の要件を分けて考えることが大切です。
この記事では、健康保険・厚生年金保険の加入について、会社が確認しておきたいポイントを整理します。
社会保険とは?
会社員について一般的に「社会保険」という場合、主に次の2つを指します。
- 健康保険
- 厚生年金保険
健康保険は、病気やけが、出産などに備えるための医療保険です。
厚生年金保険は、老齢だけでなく、障害や死亡などの場合にも年金を支給する公的年金制度です。
会社で働く人については、一定の条件を満たす場合、会社を通じてこれらの社会保険に加入することになります。
まず「会社が加入する必要があるか」を確認
社会保険の手続きでは、最初に、
その会社が健康保険・厚生年金保険の適用事業所に該当するか
を確認します。
法人の場合
株式会社、合同会社などの法人事業所は、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。
そのため、
「まだ従業員が1人しかいないから社会保険は必要ない」
とは一概にいえません。
法人を設立して初めて従業員を雇用する場合などは、会社として社会保険の適用関係を確認する必要があります。
個人事業所の場合
個人事業所については、すべてが同じ扱いになるわけではありません。
事業の種類や従業員数などによって、社会保険の適用関係が異なります。
そのため、個人事業主の方は、
「個人事業だから社会保険は必要ない」
と判断せず、自分の事業所が適用事業所に該当するかを確認することが大切です。
次に「従業員本人が加入対象か」を確認
会社が社会保険の適用事業所であっても、従業員全員が必ず同じ条件で加入するわけではありません。
従業員についても、加入対象となるかを確認します。
正社員については、原則として社会保険の加入対象となります。
一方、パート・アルバイトについては、勤務時間や勤務日数などによって判断します。
パート・アルバイトの社会保険加入
社会保険について特に注意したいのが、パート・アルバイトです。
「パートだから社会保険には加入しない」
という考え方ではなく、実際の勤務条件を確認して判断する必要があります。
まず確認するのが「通常の労働者」との比較
同じ事業所で働く通常の労働者と比較して、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が4分の3以上である場合、原則として社会保険の加入対象となります。
例えば、正社員が、
- 週40時間勤務
- 月20日勤務
という会社であれば、パートについても勤務時間・勤務日数を確認します。
「パートだから対象外」ではなく、勤務実態を基準に判断することが重要です。
4分の3未満でも加入する場合がある
ここが社会保険の加入判定で特に分かりにくいところです。
通常の労働者の4分の3未満であっても、一定の条件を満たす短時間労働者については、社会保険の加入対象となる場合があります。
例えば、一定規模以上の企業等で働く短時間労働者については、
- 週の所定労働時間
- 月額賃金
- 雇用期間
- 学生ではないこと
- 企業規模
などの条件を確認する必要があります。
社会保険の適用範囲は近年拡大しているため、パート・アルバイトを雇用する場合には、最新の加入要件を確認することが大切です。
「週20時間なら必ず加入」ではありません
雇用保険では「週20時間以上」が重要な加入要件の一つですが、社会保険では加入判定の考え方が異なります。
そのため、
「週20時間以上だから社会保険に加入」
と単純に判断することはできません。
勤務時間だけでなく、賃金、雇用期間、会社の規模など、複数の条件を確認する必要があります。
社会保険に加入すると保険料はどうなる?
社会保険料は、原則として会社と従業員が折半して負担します。
会社は従業員の給与から本人負担分を控除し、会社負担分と合わせて保険料を納付します。
そのため、従業員を採用する際には、給与だけでなく、社会保険料を含めた会社の人件費についても考えておく必要があります。
社会保険の加入手続き
従業員が社会保険の加入対象となった場合、会社は資格取得の手続きを行います。
一般的には、健康保険・厚生年金保険の「被保険者資格取得届」を提出します。
また、従業員に扶養家族がいる場合には、健康保険の被扶養者に関する手続きが必要になることがあります。
手続きの際には、従業員の氏名、生年月日、住所、基礎年金番号など、必要な情報を確認します。
社会保険の手続きはいつまで?
従業員が加入要件を満たすこととなった場合、資格取得の手続きには提出期限があります。
入社後に慌てて準備するのではなく、採用が決まった段階で社会保険の加入対象になるかを確認しておくと安心です。
特に、入社日から社会保険の資格が発生するケースでは、手続きを忘れないよう注意しましょう。
社会保険に加入しないとどうなる?
加入義務があるにもかかわらず、社会保険の手続きを行っていない場合には問題となる可能性があります。
また、従業員本人にとっても、健康保険や厚生年金の資格に関わる重要な問題です。
「会社が小さいから大丈夫」
「本人が希望していないから加入させなくてよい」
といった理由だけで判断することはできません。
加入義務があるかどうかを、会社と従業員それぞれの条件から確認することが重要です。
従業員本人が加入を希望しなくても加入が必要な場合がある
社会保険は、加入要件を満たしている場合、本人が「入りたくない」と希望しているかどうかだけで加入を自由に決められるものではありません。
加入義務がある場合には、会社として必要な手続きを行う必要があります。
パート・アルバイトの採用時には、本人の希望だけで判断せず、法令上の加入要件を確認しましょう。
初めて従業員を雇う会社が確認すること
初めて従業員を雇う場合は、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
STEP1 会社の種類を確認する
法人なのか、個人事業所なのかを確認します。
↓
STEP2 適用事業所に該当するか確認する
健康保険・厚生年金保険の適用事業所に該当するかを確認します。
↓
STEP3 従業員の勤務条件を確認する
正社員なのか、パート・アルバイトなのかだけではなく、週の勤務時間、勤務日数、賃金、雇用期間などを確認します。
↓
STEP4 加入対象か判断する
通常の労働者との比較や、短時間労働者に関する加入要件などを確認します。
↓
STEP5 資格取得手続きを行う
加入対象となる場合は、必要な届出を行います。
↓
STEP6 給与計算に反映する
社会保険料の本人負担分を給与から控除し、会社負担分と合わせて納付します。
よくある質問
Q.従業員が1人でも社会保険に加入する必要がありますか?
法人事業所は、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。
そのため、従業員数だけで加入義務の有無を判断することはできません。
Q.パート・アルバイトは社会保険に加入しなくてもいいですか?
一律に加入しなくてよいわけではありません。
勤務時間・勤務日数などが通常の労働者の4分の3以上の場合や、一定の条件を満たす短時間労働者の場合など、加入対象となることがあります。
Q.本人が社会保険に入りたくないと言っています
加入要件を満たしている場合、本人の希望だけで加入を避けることはできません。
会社として加入要件を確認する必要があります。
Q.正社員とパートで社会保険料は違いますか?
社会保険料は、原則として標準報酬月額などを基に決まります。
そのため、勤務時間や給与などによって従業員ごとの保険料が異なる場合があります。
まとめ
社会保険の加入については、
① 会社が適用事業所に該当するか
そして、
② 従業員本人が加入対象となるか
の2つを分けて考えることが大切です。
特にパート・アルバイトについては、勤務時間や勤務日数、賃金、雇用期間、企業規模などによって判断が変わる場合があります。
「パートだから加入しない」といった雇用形態だけによる判断は避け、実際の労働条件を確認しましょう。
社会保険の適用範囲は法改正によって変わることもありますので、手続きを行う際にはその時点の最新の要件を確認することが重要です。
社会保険の加入手続きでお困りではありませんか?
熊澤人的資源管理事務所では、健康保険・厚生年金保険の資格取得手続きをはじめ、社会保険に関するさまざまなご相談を承っております。
「初めて従業員を雇うので、社会保険の手続きが分からない」
「パート・アルバイトが社会保険の加入対象になるのか確認したい」
「社会保険に加入させる必要があるのか判断してほしい」
といったご相談にも対応しております。
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